ブログ

リハビリテーション目標の決定方法と目標の共有

2023年7月11日
 リハビリテーション(以下リハビリ)を進めていく上で、必ず必要となるのが【目標の設定】です。急性期病院を経て、当院に入院される方全ての患者様を対象に目標を設定します。
当院では他職種を交えたカンファレンスや様々な評価の上で決定した目標に沿って計画を立て、日々のリハビリに励んでいます。
作業療法部門では目標を決定する際、患者様自身が考える目標を大切にしたいと考えています。

 当院ではリハビリが開始されて間もない時期にADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice)というツールを用いて面接を行います。
Ipad(ADOC)
面接といってもきっちりとした雰囲気ではなく、リハビリを進めていく上で、患者様の思いや考えの聴取、作業療法士の役割について説明を行い、この先どのような事をリハビリで取り扱っていくかを説明させて頂きます。
この面接の中で患者様の考える再獲得したい活動や周りの人から期待されている事などを聴取します。

例えば「トイレが一人で出来るようになりたい。」、「買い物に行けるようになりたい。」という活動が挙げられた場合、現状の能力等を加味しながら当院作業療法士と話し合いを行って目標を決め、患者様と作業療法士で共有します。
さらにADOCを用いて挙げられた活動に対してどの程度満足しているかを患者様自身に点数を付けて頂いています。
活動内容を選択する様子
 これはリハビリの効果判定にも用いており、入院生活の中で適宜面接を行いながら点数や満足度の再評価を行います。

 リハビリが何の為に行われているか、どこに向かって進んでいるかを患者様自身が理解できるようにする事で入院生活に対する不安感の軽減やリハビリへの主体性を高め、入院生活が少しでも充実し、退院後も自分らしく生活が送れるよう支援させて頂きます。
執筆 2023年7月11日 新横浜リハビリテーション病院 リハビリテーション科 川辺 直也