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皆様こんにちは。
今回は、バリウムを使った胃の検査のお話です。皆様、胃の調子はいかがでしょうか?毎日の仕事や
日常生活においてのストレス、そのストレスを発散しようと帰りにちょっと一杯のはずが…、飲み過ぎ
てしまい翌日は二日酔い、胃痛、胃もたれを起こしてしまったという方も多いと思います。
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当院では、2種類の胃の検査を行っています。先ずは『上部消化管内視鏡検査』、胃カメラと呼ばれ
る検査で、当院では内視鏡専門医の院長が行っています。もう一つが我々、放射線技師でも行える『上
部消化管造影検査』、バリウム検査です。胃カメラは食道から胃の内部を直接、観て観察が行え、その
場でポリープ切除や、胃粘膜の
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採取をして精密検査をする事ができますが、バリウム検査は直接粘膜を
観察するのではなく、X線を照射することにより飲んでもらったバリウムを観察(写真を撮影)する検
査になり、間接的に食道から胃の内部を観察する検査です。よって粘膜の色の変化を捉える事が出来な
いのが最大の欠点です。写真の成り立ちとしては、バリウムの付着する量によってX線写真に写る色(一
般的には白)の濃淡が決まります、水溜りのようにバリウムが溜まるところは真っ白に、バリウムを塗
った様に付着した所は淡い白になり、この濃淡の差が粘膜の凹凸になるのです。この写真から、ポリー
プ、胃炎、胃潰瘍、胃がん等をみつける事が目的になり、胃潰瘍や胃がんの発生に深く関与している「ヘ
リコバクターピロリ菌」感染によるパターンの胃炎も捉える事が出来ます。
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バリウム検査は胃を膨らます薬を飲んでもらうことから始まります、普段は萎んでいる胃を広げる事
で死角となる粘膜と粘膜の重なりを無くすのが目的になり、「ゲップ」を我慢してもらいます。次に飲
んでもらうのがバリウムです、以前よりもドロっとした感じが少なくなり多少は飲みや易くなっている
と思います。最近では発泡剤を嫌がる人の方が多い印象です。ここからはちょっとした運動をして頂く
事になります、検査台の上で回転してもらったり、左右に向いてもらったり、はたまた検査台が上下し
たりと、高齢の人には大変な作業です。何故、この様な事をして頂くかと言いますと、バリウムを胃の
粘膜に塗り付けるためです。向いて頂く体の角度や検査台の角度によいってバリウムが通る場所、溜ま
る場所が違うので、色々な体位になってもらい写真を撮影します。検査を受ける方と意思疎通を図り、
協力して頂く事が我々の技術になり、良い検査へとつながっていきます。最後に下剤を飲んでもらいま
す、これはバリウムが腸の中に溜まってしまい便秘になるのを防ぐ為です。
簡単ではありますが、バリウム検査の概要になります、おわかり頂けたでしょうか?40歳を過ぎた
ら定期的な胃の検査をお進めします。
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執筆 2014年10月28日
新横浜リハビリテーション病院
画像診断部
細渕 和幸
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