2012年11月定期掲載
「顔の見える薬剤師を目指して・・・」
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『薬剤師』というと、皆さんどのような印象をお持ちでしょうか?
“医師が出した処方箋の調剤を行い、説明とともに薬を渡してくれる人”という印象が大半なのではないでしょうか?ここでは、その印象とは一味違う、普段見ることのできない薬剤師としての仕事について、ほんの一部ではありますがご紹介したいと思います。
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【調剤・監査する薬剤師】
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はじめに、薬剤師の印象として最も強い“処方された薬の取り揃え”。そのとき薬剤師は何を考えて調剤しているのでしょう?出された処方内容に対して、なぜその薬?その量は?その期間は?などなど、実際に処方された患者さんの状態をイメージしながら行っています。薬は、体内へ吸収・分布され、代謝・排泄というように消失していきます。この過程の中で、併用薬の影響を受けるものもあり、これが薬の相互作用です。併用薬は、患者一人ひとり異なるため、しっかり処方歴を確認し、適正かつ安全に使用できるようチェックしています。また、ご高齢であれば生理機能の低下も考えられ、その低下は消失時間の延長や過量投与へと繋がるため、副作用を起こすリスクも高まります。薬剤師は、処方箋一枚一枚についてこれらをトータル的に考え調剤を行っています。
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【病棟カンファレンスの様子】
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“リハビリテーション”と“薬剤師”がすぐに結びつかない方も多いと思います。確かに一見、その二つの言葉に共通点は見あたらないように思えます。しかし皆さんリハビリテーションの語源をご存知でしょうか?ラテン語でre[再び]+habilis[適した、ふさわしい]+ation[状態にすること]、すなわち[再び適した状態にすること]となります。薬剤師は、患者さんの退院後の環境も踏まえて、必要な薬を安全にかつ有効に服用していただくため、主治医や他職種と相談し内容を調整していくことで“リハビリテーション”を提供していきます。
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薬剤師は医療チームの一員として情報を共有し、薬剤の安全管理や副作用の早期発見、重篤化の回避に努めていますが、スタッフのみならず患者さんからも『顔の見える薬剤師』であるべきだと考えています。患者さんやご家族と信頼関係を築き、薬に関して気軽に薬剤師に相談できる環境づくりを心掛け、日々取り組んでいます。患者さんへ適した情報を提供することで、患者さん自身も医療(治療)への関心が高まり、積極的な医療の提供へ繋がっていくのだと思います。少しでも薬剤師に対する印象が変わり、身近な存在に感じていただけたら幸いです・・・!
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【薬剤師スタッフ】
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少しでも薬剤師に対する印象が変わり、身近な存在に感じていただけたら幸いです・・・!
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執筆 2012年10月19日
新横浜リハビリテーション病院
薬剤部
斎川 善行
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