2012年4月定期掲載
「コミュニケーションを支えて」
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私は当院で言語聴覚士(ST:speech-language-hearing therapist)として働いています。 言語聴覚士という言葉を、聞きなれない方も多いかと思います。1997年に国家資格となり、医療や福祉の現場で、ことばや聞こえ、食べることに障害をもつ方の機能回復や発達促進の援助を行う専門職です。
そこで、今回は言葉の障害についてのお話しです。
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言葉の障害も様々ですが、脳卒中後などに起こる失語症があります。失語症とは「話すこと・書くこと・聞くこと・読むこと」など言葉に関する能力に障害が残った状態を言います。身体に麻痺を伴う場合も多いですが、麻痺を伴わない場合もあります。そのため、認知症や記憶喪失と間違われることもあります。 また、失語症の人は日常生活で様々な問題に直面します。
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私達が普段何気なく行っている会話や電話、メール、読書などにも支障がでてきます。言葉に不自由を感じることで、自信を失い、人とのふれあいやコミュニケーションの機会を奪うことに繋がります。私達は、リハビリを通して機能回復だけでなく、より円滑にコミュニケーションを行えるようコミュニケーション補助具なども提案、使用し、楽しいコミュニケーションを心掛けています。
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言葉の障害を抱えながらも、自信を取り戻し、再び楽しいコミュニケーションの機会を経験できるよう、これからも支援していきたいと思います。
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執筆 2012年3月22日
新横浜リハビリテーション病院
リハビリテーション科 言語聴覚士
君島 恵
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